共振インバータの利点は、ソフトスイッチングによってスイッチング損失とノイズを抑えながら、高い周波数で動作できることです。ソフトスイッチングの詳細はこちらの技術コラムで詳しく解説しています。
スイッチング損失が小さいため数百kHz〜数MHzでの動作が可能になり、共振インダクタやトランスなどの磁性部品を小型化できます。また急峻なdv/dt・di/dtが抑えられるため、リンギングに起因する不要輻射ノイズや雑音端子電圧ノイズの低減にも大きく寄与します。

一方で、ZVSはターンON損失を、ZCSはターンOFF損失を減らす手法であり、両方を同時にゼロにできるわけではありません。共振回路には出力に寄与しない循環電流が流れるため導通損は増え、共振コンデンサには入力電圧のQ倍の電圧が加わります。また負荷や温度によって共振周波数が変動し、狙った動作領域から外れると素子破壊に至ることがあります。採用にあたっては、これらのトレードオフを前提に検討する必要があります。