POINTS
設計のポイント

LC共振回路の共振周波数の調整

概要

ZCS(Zero Current Switching)やZVS(Zero Voltage Switching)の共振調整は、直列または並列に配置されたLC(インダクタンス成分とキャパシタンス成分)の増減で行います。共振インバータ回路には製品の用途に求められる共振周波数に合わせた負荷(インダクタや圧電素子)が選択され、その負荷もLC共振の一部として調整を行います。スイッチング素子の動作周波数[ fs ]は動作中でも任意で調整できますが、LCによる共振周波数[ fr ]は実装した回路上のLC成分と負荷のLC成分で決定されるため動作中は変更できません。したがって、共振の調整はZCSやZVSを達成する[ fr ]になる様に回路上のLC成分を調整することになります。

ポイント

 回路上のLC成分と負荷のLC成分で共振周波数は計算可能です。高校で習うLC共振回路の共振周波数の公式は以下の様になります。

 この式から共振周波数はLC成分のみによって決定され、外部から供給される電圧や電流に依存しないことが分かります。

 直列共振回路では動作周波数[ fs ]と共振周波数[ fr ]が、[ fs ] ≧ [ fr ]の条件でZCSが達成されます。ただし[ fs ]と[ fr ]の比が過大になると電力効率が下がる(スイッチ素子の損失大)ためトライ&エラーの繰り返しで適したLCを決定します。