POINTS
設計のポイント

LC共振回路の共振周波数の調整

概要

ZVSやZCSを成立させるには、スイッチング周波数[ fs ]と共振周波数[ fr ]を狙った関係に置く必要があります。[ fs ]はゲート駆動側で自由に設定できますが、[ fr ]は回路上のLC成分と負荷のLC成分によって決まります。

ポイント

 共振周波数は、理想素子であれば次式で決まり、外部から供給される電圧や電流には依存しません。

 ただし実際の部品は動作条件で値が変わります。フェライトコアを用いたインダクタは磁気飽和でインダクタンスが低下し、積層セラミックコンデンサはDCバイアス特性によって容量が定格の半分以下になることもあります。

さらに[ fr ]は動作中にも移動します。誘導加熱では被加熱物の透磁率が温度で変化し、特にキュリー点を越えるとコイルのインダクタンスが大きく変わります。

超音波振動子も温度や媒質負荷で等価定数が変化します。このため実際の設計では、共振点を検出して[ fs ]を追尾させるPLL制御や自励発振方式が広く使われます。

調整は、負荷の等価定数を実測したうえで回路上のLC成分を決め、[ fs ]/[ fr ]の比を1.05〜1.2程度のマージンに置くのが基本です。[ fs ]を[ fr ]から離すほど共振回路のインピーダンスが上がり、循環電流の増加によって導通損が増えるため、離しすぎないことも重要です。

また共振コンデンサには大振幅の正弦波電流が連続して流れるため、許容リプル電流とdv/dt定格の確認も必要です。